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ビットコインの歴史が動いた。世界で初めて法定通貨採用。改めてビットコインについて説明します。

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こんにちは鈴木です。

 

今回は今後、ビットコインはドルや円などの法定通貨の代替えになるのかを考察していきます。

 

6月8日、中米にあるエルサルバドル共和国ビットコイン法定通貨として認める法案を同国議会に提出し、可決されたと報道されました。

 

この法案が承認されたことで世界で初となるビットコイン法定通貨として採用する国が誕生しました。

 

エルサルバドル共和国はこれまで米ドルを法定通貨として採用してきましたが、財政的に厳しい同国では国民の約7割が銀行口座を保有できていない状況です。

 

エルサルバドル共和国のブケレ大統領は「この計画が銀行サービスを受けられない多くの国民にとってプラスとなり、新しい雇用を生む」と主張しています。

 

これまでも中国、アメリカ、イギリス、日本、ロシアなど各国中央銀行がデジタル通貨の実証実験を始めていますが、仮想通貨自体を法定通貨にする試みは初です。

 

2020年はコロナショックによる世界的金融緩和で法定通貨の信用が下がり、ビットコインに資金が流入した経緯もあって、代替資産としての期待も高まっています。

 

この法案が可決されたことでビットコインが世界中に新たな可能性を示したことになります。

 

ここからは改めてビットコインの歴史や仕組みなどを説明させていただきます。

 

 ◎ビットコインの誕生

 

ビットコインが始めて世に出てきたのが2008年10月31日、「サトシ・ナカモト」という人物が発表した「ビットコイン:ピアツーピア電子キャッシュシステム」という論文を公表したのが始まりだと言われています。そして翌2009年からビットコインの運用が開始されます。当初のビットコインは研究者などの一部の趣味として開発、流通していた暗号通貨で市場に出回ることも、日常で使用されることもありませんでした。

 

それから1年後の2010年5月22日アメリカ、フロリダ州で初めて日常的な用途でビットコインが使用されます。あるプログラマーがピザ2枚を1万ビットコインで購入しました。

 

これがビットコインで商取引が成立した最初の事例と言われており、このことから5月22日は「ビットコインピザデー」と呼ばれています。

 

その後、ビットコインの認知度が高まり世界中で商取引でも使えるようになったことや、取引所ができるなど利便性、換金性が高まりました。その結果、ビットコインの資産価値は急上昇しました。

 

◎そもそもビットコインとは何か?

 

そもそもビットコインは何かといいますと、それは現物の紙幣や硬貨がないお金です。ドルや円のような通常の通貨と同じように使用できます。

 

ドルや円などの通貨と違うことはビットコインでの支払いは電子的に行う必要があるということです。

 

ビットコインでは電子的に決済を行うため、インターネット経由で送金することが簡単にできます。この利便性も魅力の1つです。

 

◎現在の法定通貨との違い

 

これまでの法定通貨とは違う仮想通貨というカテゴリーのビットコインですが、既存の通貨と決定的に違う点があります。

 

それが、通貨を管理する中央銀行が存在しないという点です。

 

日本円であれば日本銀行、ドルであればFRS(連邦準備制度)が発行や流通を管理しますが、ビットコインにはそのような組織が存在しません。

 

ビットコインは国が管理している通貨ではないので、ドルや円と同じ通貨ですが、どこの国もビットコインの発行、流通には関与していないのです。

 

この仕組みがビットコインの最大の特徴です。

 

ビットコインブロックチェーンの技術で管理されている。

 

既存の通貨のように国が管理していないビットコインですが、それではどのようにして管理されているのでしょうか。

 

それがブロックチェーンの技術を用いたコンピューターネットワークでの管理です。

 

ビットコインにおける新しい通貨の発行や、取引情報はすべてコンピューターネットワーク上に分散され保存される仕組みです。

 

巨大な取引台帳なようなものをみんなで見ながら管理しているイメージです。

 

この可視化された記録おかげでビットコインの偽造や二重払いなどを防ぐことができます。

 

通貨の流通や取引の管理を特定の中央銀行のような組織でするのではなく、コンピューターネットワークを用いて管理することが既存の通貨との大きな仕組みの違いであり、通貨という概念の新しい可能性です。

 

◎今後ビットコインは世界的な法定通貨になるための課題

 

世界各国が各自の法定通貨をデジタル化する動きが進んでいますので、いずれデジタル円やデジタルドルが流通する可能性が高いと予想されます。

 

そんな中、世界に先駆けてエルサルバドル共和国は仮想通貨であるビットコイン法定通貨として可決させたわけですが今後、解決しなければならない課題はまだまだあります。

 

マネーロンダリングの防止

 

ビットコインはスピーディーな国際送金や電子決済ができるという反面、マネーロンダリングをはじめとした不正金に使用されやすいとされています。

 

この問題に関してはG20での協議であったり、マネーロンダリング対策組織のFATFがガイドラインを作成しています。

 

またIMF国際通貨基金)や日本でも金融庁が対策に乗り出すなど今後ますます規制が強化され安全性は高まると期待されています。

 

・環境問題への影響

 

ビットコインを流通させるにはマイニングというビットコインを生み出す工程が必要不可欠になります。

 

実はいま、このマイニングによる環境への影響が問題視されています。

 

マイニングを行うにはスーパーコンピューターによる大量の計算が必要になります。

 

その数はなんと1秒間に約2500京回というとてつもない数に及んでいるとされています。

 

このスーパーコンピューターを稼働させるための電力はとてつもなく、その電力を賄うための発電で年間約2900万トンの二酸化炭素を排出されていると報告がされています。

 

この電力問題は今後のエネルギー改革により解決が期待されていますが、世界が二酸化炭素削減に向けて取り組んでおり、二酸化炭素の排出を抑えた電力の普及を待つしかないという状況です。

 

◎価格の変動が大きい

 

最後になりますが、ビットコイン最大の課題がビットコインの価格が定まっていないということです。

 

それは通貨としての市場規模が関係しています。

 

為替の取引量が一日で4兆ドルなのに対し、ビットコイン時価総額で9100億ドルとなっており、その差は歴然です。

 

そのため、ちょっとしたニュースなどで価格が急落するなど不安定な相場になっています。

 

5月にテスラ社のイーロンマスク氏の発言もあり、40%の下落したことは記憶に新しいと思います。

 

また、政府や中央銀行が管理できない非中央政権がビットコイン最大の特徴ですので、通貨発行や金利調整などの金融政策が取りにくくなるという問題もあります。

 

それでもコロナショックによる世界的な金融緩和で信用を落とした通貨からビットコインに資金が流入したことを考えますと、既存の通貨に代わる資産としての期待は高いことが伺えます。

 

ブロックチェーンの技術の向上、国際的な法規制の整備、市場規模の拡大など各課題を解決していくことでビットコインの通貨価値は上がっていくことになります。

 

そして、その先には開発者のサトシ・ナカモトが夢見た、国境を越えても価値が認められる仮想通貨が誕生するかもしれません。