2020年ドルの通貨価値が下落。これからは金の時代。
こんにちは鈴木です。
今回はなぜ今の時代に金投資がお勧めなのかについて説明します。
この記事を読んでいただければ金投資の優位性についてご理解いただけると思いますので、ぜひ最後までご覧ください。
それではさっそく本題に入ります。
なぜ今後、金価格の上昇が見込めるかというと、それは『ドルの価値が下がっているから』です。
金価格の変動理由には様々なものがあります。
有事や宝飾品での需要供給、株式などの代替資産などの理由もありますが今回は根幹にある『ドルと金の関係』に注目して話をさせていただきます。
◎金はそもそも貨幣だった。
ドルと金の関係を紐解くうえでお金の歴史を知る必要があります。
この図が人類のお金の歴史です。
ことの始まりは肉と魚を交換するなどの物々交換です。
山に住んでいる人は鹿肉などを取り、海辺に住んでいる人は魚を取って生活していたわけですがもちろん、たまには普段と違うものが食べたくなります。
そういった時はお互いが取れた物を直接交換していました。
しかし、肉などの生ものは腐ってしまうなど、この方法では必要な時に適切な交換ができない不便さが出てきました。
そこで人類は物々交換ではなく、物と物の流通に別の品を使って取引をするようになります。
これが貨幣経済の始まりです。
この時に貝殻や石などが使われました。
その名残で今でもお金に関係する漢字に“貝”が使われたりしています。(通貨、財産など)
しかし、貝や石などはその辺にあるもので希少性という点で問題がありました。
それえを解決したのが“金”です。
人類は通貨になるものには希少性からなる信用の他に3つの条件がある事に気づきました。
①価値が分かりやすい(個数や単位)
②流通させやすい(小さくて運びやすいなど)
③壊れたりしない(耐久性があり、劣化しない)
以上3点から金は通貨としてとても優秀でした。
そして世界中で経済活動を行うようになり、いよいよ現代まで続く紙幣が登場します。
通貨として優秀な金ですが、その希少性の為に数に限りがありますので大量に流通させることができませんでした。
そこで金の引換券ということで紙幣を発行し、さらに簡易化して金と交換せずに直接紙幣を使った取引が始まりました。
(ストックホルム銀行券。銀行振り出しの手形として金属貨幣との交換ができる)
そして人類はさらに進化し、クレジットカードや仮想通貨などに移っていきます。
ここまでのお金の歴史で何が言いたかったというと、紙幣はもともと金の引換券であり、紙幣の信用は金で始まったということです。
このことを頭に入れていただければ、次から説明します今回の肝になる『ドルの価値が下がれば金価格が上がる』ということが腑に落ちるはずです。
◎ドルの価値が下がれば金価格が上がる
それでは今回の本題である金価格が上がる理由についてご説明いたします。
ドルの価値を決めているものを以下の3点にまとめました。
①ドルの供給量
②ドルの金利
③アメリカの信用
ここからこの3点について深掘りしていきます。
①ドルの供給量
みなさんは物の価値が決まるうえで需要と供給のバランスが大切なのはご理解いただけていると思います。
例えば秋の秋刀魚シーズンに前年より大漁で、市場に秋刀魚が大量に出回れば秋刀魚の価格は前年より安くなります。
その逆もまた然りです。
つまり物の価値は量が増えるほど下がり、少なくなるほど上がるというわけです。
話を戻してドルの供給量に目を向けてみますと以下のチャートになります。
こちらのチャートはドルの供給量と金価格を比べたものです。
赤い線がドルの供給量、黄色い線が金価格、青い線で囲ってある期間がリーマンショックです。
一目瞭然ですがドルの供給量が増えることで金価格が跳ね上がっています。
リーマンショック時も今回のコロナショック同様に経済の立て直しとして金融緩和が行われ一気にドルの供給量が増え、その影響もあり金価格も2年で2.5倍に上がりました。
市場に出回るドルの量が増えたことでドルの価値が下がり、相対的に金の価格が上がったわけです。
これがドルの供給量が増えると金価格が上がる要因です。
②ドルの金利
続きましてドルの金利についてです。
ドルの価値を決めるのに金利が深く関わってきます。
実例をあげますと日本の金利は0.001%、コロナショック前のアメリカの金利は2.5%でした。
この場合にどちらの国の通貨に資産を預けるかという問題です。
実際に計算しますと、日本の金利0.001%で運用すると元の資産を倍にするのに7万2000年かかります。
アメリカの金利2.5%で運用すると30年程で元の資産を倍にすることができました。
こうなれば誰しもがドルを欲しがるのは当たり前です。
つまり金利が高い通貨は人気が高く、価値が上がるというわけです。
そしてコロナショック後にアメリカの金利がどうなったかチャートを見て確認します。
こちらが2006年から2020年までのアメリカ政策金利のチャートです。
リーマンショック時のゼロ金利政策で金利が下がり、2016年頃から回復。そして2020年コロナショックでまた引き下げの流れです。
ドルの価格がどうなったかドル円チャートを見て確認してみましょう。
見ての通り2006年のゼロ金利政策以降はドル安円高になり、アメリカの金利が回復する2016年にかけてドル高円安の流れになっています。
もちろんこの時期はアベノミクスなどの政治的要因もありましたが、根本には金利による通貨人気が原因です。
そして政策金利は景気に左右されます。
経済危機には立て直しの一手としてゼロ金利政策が打たれ、主に失業率が3~4%付近に落ち着くまで行われるとされます。
リーマンショック時(失業率10%)は失業率の回復に7年程かかっています。
今回のコロナショックではそれを上回る14.7%と過去最悪の数値を記録しました。
これを受けてアメリカFRBは2023年までゼロ金利政策を維持すると表明。
これにより少なくとも2023年までは金価格の上昇が期待でき、パウエル議長はインフレ2%に到達するまで利上げを見送るとも宣言したため、金価格にとっては二重で追い風が吹いています。
ゼロ金利政策によるドル安懸念は依然続く状況というわけです。
③アメリカの信用
最後に通貨の信用=国の信用という説明をさせていただきます。
一般的に通貨価値というものは発行元の国の信用に基づきます。
株の価値が企業の業績に左右されるように、通貨も国の経済状況や政情に左右されます。
取り分け現在懸念されているのが、米中の対立問題です。
経済対立から軍事対立の緊張感が高まっているため、常にカントリーリスクがつきまといます。
やはり戦時中の国の信用は低くなり、その国の通貨は売られやすいです。
その際に資金の逃避先として注目されるのが金です。
金は無国籍通貨といわれるようにどの国に行っても価値は変わりません。
これが有事の金といわれる所以です。
現在の世界情勢を考えますと、各国コロナショックのパンデミックにより経済が悪化し通貨価値が低下しているのです。
つまり今回、ドルのみが価値低下しているのではなく、全世界の通貨価値が低下しているわけで、全通貨に保険をかけることができる金の価格が相対的に上がっているという状況です。
このような状況下では資産を金に置き換えることが得策ではないでしょうか。
◎まとめ
今回の記事でドルの価値と金価格の関係はお分かりいただけましたでしょうか。
金はそもそも通貨の価値担保になっていたため未だに密接な関係にあります。
歴史上類を見ない空前絶後の低金利政策が日本、アメリカのみならず世界中で行われています。
全世界で物価の上昇、つまり通貨価値の低下が叫ばれ経済の混乱を招いています。
日本も膨らむ財政赤字や人口減少など問題はつきません。
このような不安定な時代だからこそ、究極の安全資産である金でご自身の資産をお守りください。